亡くなった家族の銀行口座・保険・株はどう調べる?相続財産の探し方
この記事は公開情報をまとめたもので、法律・税務上の助言ではありません。制度は変わることがあるため、記事内のリンク先の公式情報をご確認ください。個別の判断は専門家にご相談ください。
結論から:日本には、すべての金融資産を一度に調べられる窓口はありません。ただし、銀行口座はマイナンバーによる照会(2025 年 4 月開始)、証券口座は「ほふり」の開示請求、生命保険は生命保険協会の照会制度を使うと、手がかりがなくてもかなりの部分を探せます。海外口座や暗号資産などは、自分で手がかりを探す必要があります。
順番に説明します。
まず:死亡届を出す
以降の手続きでは、死亡の記載がある戸籍謄本や、相続人であることを示す戸籍が必要になります。死亡届は死亡を知った日から 7 日以内に市区町村役場へ提出します。
相続人が多い場合は、法務局で「法定相続情報一覧図」を作っておくと、各窓口に戸籍の束を何度も出さずに済みます。
銀行口座を調べる
マイナンバーによる口座照会(2025 年 4 月〜)
相続人は、ひとつの金融機関の窓口で、故人のマイナンバーが付番された預貯金口座がどの金融機関にあるかを照会できます。ただし、付番は任意なので、故人が生前に届け出た口座しか分かりません。
通帳・郵便物・アプリから探す
付番されていない口座は、通帳、キャッシュカード、銀行からの郵便物、スマートフォンの銀行アプリなどから金融機関を特定し、各銀行に残高証明書を請求します。
証券口座を調べる:ほふりの開示請求
証券保管振替機構(ほふり)に「登録済加入者情報の開示請求」をすると、故人がどの証券会社に口座を持っていたかが分かります(持ち株の明細までは分かりません)。証券会社が分かったら、各社に残高証明書を請求します。
- 請求できる人:法定相続人、遺言執行者など
- 費用・必要書類:ほふりの公式サイトで最新の案内を確認してください
- 結果が届くまで:1 か月程度とされています
生命保険を調べる:生命保険契約照会制度
生命保険協会の「生命保険契約照会制度」(2021 年 7 月〜)を使うと、加盟している生命保険会社に故人の契約があるかを一度に照会できます。
- 費用:1 回 3,000 円(税込)
- 申請:ウェブまたは郵送
- 必要書類:照会者の本人確認書類、相続関係が分かる戸籍、故人の死亡診断書の写しなど
期限に注意
- 相続放棄:相続の開始を知った時から 3 か月以内(家庭裁判所へ)。借金がある可能性がある場合は、調べてから判断しましょう。
- 準確定申告:4 か月以内
- 相続税の申告:10 か月以内
個別の判断は、税理士・司法書士・弁護士にご相談ください。
公的な制度では見つからないもの
- 海外の銀行・証券会社の口座
- 暗号資産:取引所の口座は取引所名が分からないと請求できません。自分で管理するウォレットは、復元フレーズがなければ取り戻せません
- 電子マネー・ポイント、ゲームなどへのチャージ
- 個人間の貸し借り
- ネット銀行やアプリのログイン方法:口座の場所が分かっても、ログインできないことがよくあります
手がかりになるもの
- 通帳、取引報告書、クレジットカードの明細、保険証券
- メールボックスの通知(「取引報告書」「入金」「お取引のお知らせ」で検索)
- スマートフォンの銀行・証券・取引所アプリ
- 口座からの引き落とし記録(保険料、積立投資、サブスクリプション)
- 過去の確定申告書(配当・利子の支払者、保険料控除の欄)
まだ元気なあなたへ:今のうちにリストを残す
一度経験すると分かりますが、いちばん大変なのは書類を書くことではなく、どこから探せばいいか分からないことです。家族に同じ思いをさせたくないなら、今から準備できます。
- 口座ごとに「どこにあるか」を書く:金融機関名、口座の種類、支店や連絡先、ログインページ
- パスワードは書かない:「パスワードマネージャーの中」「金庫の封筒」など、探し方のヒントだけを書く
- 定期的に更新する:口座を開いたり解約したりしたら一緒に直す
- 誰に、いつ渡すかを決める:普段から家族に全部見せたいとは限りません
HoldingsNest はまさにこのために作りました。普段は純資産の管理に使いながら、各口座の所在を記録できます(普段はあなただけが見られます)。「Dead Man’s Switch」を有効にすると、一定期間アプリを開かなかったときに、指定した帳簿と各口座の所在を、信頼する家族に自動で引き渡します。
よくある質問
マイナンバーの口座照会で、すべての口座が分かりますか?
いいえ。故人がマイナンバーを届け出た口座だけです。届け出ていない口座は、通帳や郵便物などの手がかりから探す必要があります。
借金が見つかったらどうすればいいですか?
3 か月以内であれば、家庭裁判所に相続放棄や限定承認を申し立てることができます。早めに専門家に相談してください。
海外口座はどう調べればいいですか?
日本の制度では海外の金融機関は調べられません。明細、メール、アプリなどの手がかりから金融機関を特定し、その機関の手続きに従って請求します。